元甲子園球児・田中彗さん、役者への転身とその裏話

 2025年、元甲子園球児で社会人野球選手だった田中彗(すばる)さんが役者として新たな道を歩み始めました。その決断の背景には、彼自身の反骨心や家族との関係、そして野球人生での試練がありました。この記事では、田中彗さんの転身にまつわるエピソードや裏話を交えながら、その挑戦を掘り下げていきます。

田中彗さんの野球人生:甲子園から社会人野球へ

 田中彗さんは、二松学舎大付属高校時代に甲子園へ出場し、3年生の夏には2試合に登板しました。最速150キロの速球を武器にプロ入りを目指していましたが、大学時代と社会人野球でトミー・ジョン手術を経験するなど故障に悩まされました。「手術をしても頑張ろうと思っていたけれど、ピッチングをしている時に限界を感じた」と語り、半年間悩んだ末に野球からの引退を決意しました。

役者への転身:兄弟との関係が後押し

 田中さんは5人兄弟の末っ子であり、兄たちは芸能界で活躍しています。特に四男の田中樹さんは大人気アイドルグループのメンバーとして知られています。かつては「兄弟の弟と言われるのが嫌で、自分の名前で有名になりたい」と反骨心から野球一筋だった田中さんですが、引退後は「兄弟が兄弟なので、最初に来た選択肢がこれだった」と自然と芸能界への道を選びました。

四男・樹さんとの関係は特別で、「一番仲良かったお兄ちゃんの活躍を見て純粋にかっこいいと思った。今では尊敬している」と心境が変化したことを明かしています。この家族関係が役者転身への大きな後押しとなったようです。

舞台デビューと新たな挑戦

 田中彗さんは2025年2月、中目黒キンケロ・シアターで行われた舞台「正義の味方~ジャスティス・タクティス~」で役者デビューを果たしました。現役時代から体重を20キロ落とし、ハイトーンカラーの髪型など新しい自分を作り上げています。「丸一日休みの日はほとんどない」という忙しい日々を送りながらも、「やれることは全部チャレンジしていきたい」と精力的に活動しています。

TikTokでライブ配信にも力を入れており、「芸能の仕事は見てくれる人がいなきゃ成り立たないので、自分を世間にアピールしていかなきゃいけない難しさがあります」と語りつつも、「応援してくれる人と一緒に成長したい」という前向きな姿勢が印象的です。

野球経験が活きる役者人生

 田中さんは「違う仕事になっても、人間性や努力する姿勢は私生活でも活きている」と語っています。高校時代には食事トレーニングで体重を10キロ増やし、地道な努力で甲子園登板まで成長した経験が今も彼の基盤となっています。また、「ダメだったとしてもチャレンジしなければ始まらない」というモットーは野球時代から貫いており、新しい舞台でもその精神を持ち続けています。

まとめ

 元甲子園球児という肩書きを持ちながら新たな挑戦へ踏み出した田中彗さん。その背景には家族との絆や野球人生で培った努力と忍耐があります。彼は「田中彗」という一人の人間として評価される存在になることを目指し、役者として自ら磨きをかけ続けています。これから彼がどんな活躍を見せてくれるのか、大いに期待されます。

タイトルとURLをコピーしました