丸亀製麺といえば、全国に展開する人気うどんチェーン店として知られていますが、その魅力は単においしいうどんを提供するだけではありません。今や世界13カ国にも展開し、2025年には過去最高の業績を記録する躍進中の外食チェーン。今回は、丸亀製麺の知られざる歴史や裏話、そして絶対に試してほしいおすすめメニューまで、その全貌に迫ります!
意外と知らない?丸亀製麺の誕生秘話
実は丸亀製麺、香川県の会社ではないんです!「え、讃岐うどんの丸亀市じゃないの?」と思った方、実はこれ、よくある誤解なんです。
丸亀製麺は2000年11月、兵庫県加古川市に1号店をオープンしました。創業者の粟田貴也氏は、元々1985年に8坪の小さな焼鳥屋「Yakitori Tori doll 3番館」からスタートし、「とりどーる」という屋号で店舗展開をしていました。
では、なぜ「丸亀製麺」という名前になったのでしょうか?これには感動的なエピソードがあります。粟田社長の父親が旧制の丸亀中学出身だったという単純な理由だったのです。「鶴亀の『亀』に『丸』で、ほんま縁起のええ名前や」と思って名付けたとのこと。親孝行の気持ちが込められた店名だったんですね。
また、「製麺」と名付けたのは、香川の製麺所で見た「作りたて感」をお客様に伝えたかったから。「うどん屋さんではなく、製麺工場なんだ!」という思いが込められているのです。
鳥インフルエンザが生んだ逆転の発想
丸亀製麺が急成長したきっかけは、実は危機からでした。2003年頃から東南アジアで猛威をふるい始めた鳥インフルエンザが、2004年に日本国内で社会問題化。当時「とりどーる」を中心に展開していた会社にとって、これは大きな危機でした。
BSE問題で苦しむ焼肉業界を目の当たりにしていたこともあり、粟田社長は決断します。「焼鳥業態からうどん業態に事業の軸足をシフトしよう」と。
実は鳥インフルエンザ問題が発生する前の2000年11月に、すでに兵庫県加古川市に「丸亀製麺」1号店をオープンさせていました。当初は多店舗展開を考えていなかったという丸亀製麺ですが、この危機が転機となり、逆に大きな成長につながったのです。
丸亀製麺の5つの魅力とこだわり
1. 店内製麺へのこだわり
丸亀製麺の最大の魅力は「店内製麺」です。多くの外食チェーンがセントラルキッチンや指定業者から麺を仕入れる中、丸亀製麺はあえて全店舗に製麺機を置き、その場で小麦粉から製麺を行っています。「チェーン店の常識に反している」と周囲から反対されたこのやり方こそが、丸亀製麺の最大の差別化ポイントになりました。
2. オープンキッチンによる透明性
お客様の目の前でうどんが作られる過程を見せる「オープンキッチン」スタイルも、丸亀製麺の大きな魅力です。この透明性が信頼と期待を生み出し、単なる食事を五感で楽しむ体験に変えているのです。
3. リーズナブルな価格設定
本格的な讃岐うどんを手頃な価格で提供している点も、多くの支持を集める理由です。特に2025年の今、物価高騰が続く中でこの価格帯は非常に魅力的です。
4. 豊富なメニューバリエーション
ぶっかけうどんや明太釜玉うどんなど、多彩なメニューが揃っているため、何度訪れても新しい楽しみがあります。また季節限定メニューも充実しており、飽きることがありません。
5. 温かい接客
スタッフの元気よく親しみやすい接客も、丸亀製麺の魅力の一つです。中高年の採用年齢の幅を広く取っていることもあり、主婦を中心とした中高年の就業率が比較的高いことが、家庭的で温かい雰囲気づくりに一役買っているようです。
2025年最新!丸亀製麺の人気メニューとその秘密
定番人気メニュー
- ぶっかけうどん:シンプルながらも、だしの風味とコシのある麺が絶妙にマッチする一品です。
- 明太釜玉うどん:生玉子と明太子が絡み合い、まろやかさとピリ辛さが絶妙なバランスを保っています。
- 釜玉うどん:茹でたての麺に生玉子を絡め、だししょうゆをかけていただくシンプルな一品。
- カレーうどん:サラサラ系のスープであっさりとした出汁の旨みの中にスパイスの香りが引き立つ逸品。
- かしわ天:鶏の胸肉を特製だれに漬け込み、絶妙な温度と時間で揚げた天ぷら。
2025年ヒット中の最新メニュー
特に今年話題なのが「俺たちの豚汁」シリーズです!コチュジャンやオイスターソースを入れることで、やみつきになる味わいを生み出したこの商品は、約156万食を販売する大ヒットとなっています。
また、新カテゴリーとして誕生した「丸亀うどーなつ」も大人気。2024年6月に販売開始してから半年で累計販売数が1000万食を突破し、特に2024年12月に販売開始した「丸亀うどーなつチョコ味」は想定販売数の2倍を超える大ヒットとなっています。
知る人ぞ知る!丸亀製麺の裏ワザメニュー
実は丸亀製麺では、メニューに載っていない「裏ワザメニュー」を自分で作ることができるんです!公式に認められた裏ワザとして、以下のメニューが人気です:
- 明太子茶漬け(200円):ご飯・明太子・かけうどん用出汁にネギと天かすをトッピング。
- 鮭・海苔茶漬け(140円):鮭おにぎりとかけうどん用出汁でできる超お得メニュー。
- 天丼:ご飯に天ぷらを乗せ、トッピングカウンターにある天タレをかけるだけで、専門店顔負けの天丼が完成!
過去の危機を乗り越えて2025年過去最高業績へ
丸亀製麺は成長過程で幾度かの危機も経験しています。2019年頃には、既存店客数が16ヵ月連続で前年割れするという負のスパイラルに陥っていました。その際、元USJを復活させた森岡毅氏率いるマーケティング会社「刀」の力を借りて復活を遂げています。
そして2025年最新の決算では、丸亀製麺の売上収益は972億900万円(前年同期比12.1%増)、事業利益159億7100万円(15.4%増)と過去最高の業績を記録しています。コロナ禍を経ても着実に成長を続ける丸亀製麺の強さがうかがえます。
世界が認めた日本の味!丸亀製麺の海外展開
丸亀製麺の人気は日本国内にとどまりません。アメリカ、オーストラリア、中国、タイなど13の国と地域に展開しており、各地でその美味しさと手頃な価格が評価されています。
特にハワイのワイキキ店は、全世界の丸亀製麺店舗の中で売上1位を誇っています。このワイキキ店では、かけうどんが約400円で提供されており、現地のランチ相場と比べても非常にお得だとして人気を集めています。
興味深いのは、各国の食文化に合わせたメニュー展開をしている点です。例えばインドネシアではイスラム教徒が多いため、ハラル認証を取得し、鶏白湯うどんなどのメニューを提供しています。
丸亀製麺が抱える課題と挑戦
成長を続ける丸亀製麺ですが、課題もあります。店内製麺にこだわるがゆえの難しさとして、製麺のノウハウの蓄積があります。温度や湿度といった外的要因が大きく影響するため、品質にブレが生じないよう、新規開店前の教育・研修に力を入れています。
また、2025年の最新決算では、丸亀製麺は好調な一方で、海外事業は市況の悪化により、事業利益19億3200万円(前年同期比34.5%減)と減益を記録しています。グローバル展開における地域ごとの戦略最適化が課題となっているようです。
最後に:丸亀製麺の未来
今や国内外で1000店舗を超える店舗を持つ、日本が誇る外食チェーン店に成長した丸亀製麺。「できたての麺をその場で食べてもらう」という一貫したコンセプトを守り続け、常に新しい挑戦を続けています。
2025年現在、「丸亀うどーなつ」のような新カテゴリー商品の成功は、うどん専門店としての枠を超えた展開の可能性を感じさせます。コロナ禍を乗り越え、物価高の中でも成長を続けるその強さには、多くの外食産業が学ぶべきものがあるでしょう。
あなたも次に丸亀製麺に行ったら、ぜひ店内製麺の様子を眺めながら、できたてのうどんの美味しさを五感で楽しんでみてください。そして、この記事で紹介した裏ワザメニューにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?きっと丸亀製麺の新たな魅力を発見できるはずです!