テレビが終わる日  その瞬間にあった笑いと涙、舞台裏のリアル

「テレビが終わる日」。かつては“ありえない”と笑い話のように語られていたこの言葉が、2025年の日本では現実味を帯びて語られるようになりました。長寿番組の突然の終了、スポンサー離れ、そして“テレビ離れ”という時代の流れ。けれど、テレビが終わる日には、やっぱりテレビらしい、ちょっと笑えて、ちょっと切ないエピソードが詰まっています。今回は、そんな「テレビが終わる日」にまつわる楽しい裏話やエピソードを、トレンドブログライターの視点でたっぷりご紹介します。

■ 伝説の番組たち、静かなる幕引きの舞台裏

 2025年6月、長寿バラエティ『ダウンタウンDX』が32年の歴史に幕を下ろしました。松本人志さんの活動休止、浜田雅功さんの体調不良といった“あるじの不在”が続き、視聴者からは「ついに一時代が終わった」「こんな形で…」と惜しむ声がSNSに溢れました。

最終回の収録では、スタッフが用意した歴代名場面VTRに浜田さんが「これ、俺らが一番楽しんでたんちゃう?」と照れ笑い。エンディングでは、出演者・スタッフが全員で“いつものポーズ”を決め、スタジオは涙と笑いに包まれたそうです。実は、最後の収録後にスタッフ全員で“ダウンタウンDX”のロゴ入りケーキを囲んで記念撮影をするのが恒例だったのですが、最終回はそのケーキがなんと“32段重ね”の超特大サイズ!浜田さんが「これ、どうやって食べんねん!」とツッコミを入れて、最後まで笑いの絶えない現場だったとか。

同じく、人気ネタ番組『東野・岡村の旅猿』も、突然のファイナル告知でネットが騒然。「芸人×俳優」「芸人×アイドル」などジャンルを超えたコラボが話題で、最終回では高橋英樹さんが「この番組でしか見せない顔」と大はしゃぎ。収録後の打ち上げでは、東野さんが「次はYouTubeで旅するか!」と冗談を飛ばし、現場に笑いが戻ったのだとか。旅猿スタッフの間では「打ち上げでのカラオケ大会が本番より盛り上がる」ともっぱらの噂で、最終回の夜も深夜まで“旅猿ソング”が響き渡ったそうです。

■ 番組エンディングは“秒刻み”の緊張感

 テレビ番組のエンディングは、実は“秒刻み”で決まっています。「何分何秒に終わらせてください」というフロアディレクターの指示が飛び交い、出演者は「あと○秒あるからもう一つ話せるかな」「思ったより時間が余った!」と頭の中で算段しながら、見事に“ピタリ”と終わらせる。この緊張感の中、ベテランアナウンサーが「今日もご覧いただきありがとうございました」と笑顔で締める姿は、まさにプロの技。

あるニュース番組では、最後の数秒でキャスターが「明日もいい日になりますように」とアドリブで一言。スタッフ全員が「ナイス!」と拍手したという裏話も。バラエティの現場では、エンディングの“締めギャグ”を誰が担当するかで出演者同士がジャンケンをすることもあり、「負けた人が“変顔”で締める」というルールが密かに存在していたとか。こうした“秒刻みの笑い”が、テレビの現場を支えてきたのです。

■ スポンサー撤退、CMが消えた日常の裏側

 2025年、テレビ業界を揺るがせたのは相次ぐスポンサー離れ。長年続いたグルメ番組『食いしん坊バンザイ』も、50年の歴史に幕を下ろしました。スポンサーから「もうやってられません」と撤収宣言が出た瞬間、現場は一瞬静まり返ったそうです。CMが流せなくなり、「答えはCMのあとで!」というお決まりのフレーズも消滅。代わりにACジャパンのCMが延々と流れる“無音の30分”が、逆にネットで話題に。「これぞ令和のテレビの終わり方」とSNSでネタにされ、スタッフも「最後は笑われて終わるのがテレビらしい」と苦笑いしたとか。

さらに、スポンサー撤退によって“ロケ弁”が豪華から質素になったという裏話も。以前は有名店の仕出し弁当だったのが、最後の数回は「おにぎりとお茶だけ」になり、出演者たちが「これも時代だな~」としみじみ語り合ったそうです。そんな中でも、番組ADが「最後だから!」と自腹でスイーツを差し入れし、現場がほっこりしたというエピソードもありました。

■ テレビが終わる日、“家族の思い出”もまた消える?

 あるコラムニストは、「母が生きていたらテレビの終焉は悲しんだだろう」と語ります。テレビとパチンコが大好きだった母親。食卓を囲みながら「サザエさん」のエンディング曲に合わせて手拍子をするのが家族の習慣だった。もしサザエさんが終わったら、それは日本のホームドラマの終焉でもある。そんな声が、全国のリビングから聞こえてきそうです。

実際に、地方局で長年続いた夕方ワイド番組が終了した際、地元のスーパーでは「今日で○○が終わるから、早く帰ろう」と主婦たちが話していたとか。番組終了後には、地元の駅前に“ありがとう○○”の横断幕が掲げられ、出演者がサプライズで登場し、ファンと記念撮影をしたという心温まるエピソードも。テレビが終わる日、それは家族や地域の“思い出”がまた一つ消える日でもあるのです。

■ テレビの“終わり方”にも個性があった!

 突然の打ち切りで出演者も知らされていなかった番組では、ラスト収録の後に「え、今日で終わり?」と楽屋がざわついたことも。逆に、長寿番組の最終回では、スタッフが全員で“番組テーマソング”を大合唱して涙のフィナーレ。あるバラエティでは、最終回のエンドロールで「またどこかで会いましょう!」と出演者が手書きでメッセージを寄せ、視聴者から「最後までテレビらしい温かさ」と感動の声が寄せられました。

また、最終回の放送直前には、過去の出演者やゲストが“ビデオメッセージ”を寄せるのが恒例に。中には、海外からリモートで参加した元レギュラーが「また日本に帰ったら一緒に飲みましょう!」と呼びかけ、スタジオが笑いと涙に包まれたことも。こうした“人と人のつながり”が、テレビの魅力だったのかもしれません。

■ それでも“テレビが終わる日”は、どこか明るい

 「もはや、テレビがなくても困らない時代になったからこそ、一般人は高みの見物と気取ろう」。そんな声も聞こえてきます。ネット配信やSNSが主役になった今、テレビの終わりは“悲劇”ではなく“新しい時代の始まり”。生放送中に出演者が「この後はYouTubeで!」と宣言し、視聴者がそのままスマホで続きを見る――そんな“テレビの終わり方”も、2025年らしいユーモアです。

実際、ある情報番組の最終回では、出演者全員が「この番組は終わりますが、私たちはネットで続けます!」と宣言し、エンドロールで公式YouTubeチャンネルのQRコードが表示されるという“新時代の幕引き”が話題に。視聴者からは「テレビの終わりも悪くない」「むしろ新しい楽しみ方が増えた」と前向きな声が多く寄せられました。

■ まとめ:テレビが終わる日も、テレビはやっぱり“テレビ”だった

 テレビが終わる日。そこには、秒刻みのプロの技、現場の笑いと涙、そして家族の思い出が詰まっていました。突然の終了に驚き、惜しみ、けれど最後は「またどこかで!」と笑って手を振る。そんな“テレビらしい終わり方”こそ、私たちがテレビに求めていたものなのかもしれません。

これからも、どんな形であれ「みんなで同じ画面を見て、笑い合う時間」が続いていくことを願って。
テレビが終わる日、私たちはきっとまた、テレビの前で笑っているのでしょう。

【おまけ・現場の小ネタ集】

  • 『ダウンタウンDX』最終回直前、浜田さんが「最後やから」と全スタッフに“お疲れプリン”を差し入れ。スタッフは涙目で「プリンは飲み物です!」と叫んでいたとか。
  • 旅猿の打ち上げでは、岡村さんが“旅猿Tシャツ”に全員のサインを集めて「これ、次のYouTubeで着るから!」と宣言。
  • 地方局の最終回では、ADが自作の“ありがとうボード”を持ってスタジオを走り回り、出演者がその場で寄せ書きをしていた。

テレビが終わる日にも、こんなにたくさんの笑いと涙、そして人の温かさが詰まっている――。
だからこそ、テレビは終わっても、私たちの心の中ではずっと続いていくのかもしれません。

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