読売巨人軍9連覇の立役者 “ミスター・ジャイアンツ” 長嶋茂雄選手の軌跡
読売巨人軍の黄金期である1965年から1973年の9連覇。その中心にいたのが、4番・サードを務めた長嶋茂雄選手です。「ミスター・ジャイアンツ」と呼ばれ、球界の象徴として活躍した長嶋選手の偉業と魅力を振り返ります。
長嶋茂雄選手のプロフィール
- 生年月日: 1936年2月20日
- 出身地: 千葉県佐倉市
- 出身校: 立教大学
- ポジション: 三塁手
- 投打: 右投右打
- 通算成績: 打率.305、本塁打444本、打点1522
佐倉第一高校時代の活躍
長嶋選手は千葉県の佐倉第一高校(現・佐倉高校)で野球を始め、当時から卓越した打撃センスを見せていました。高校時代は甲子園出場こそ叶いませんでしたが、県大会では驚異的な成績を残し、打撃だけでなく堅実な守備でも注目を集めました。長嶋選手は高校時代から「天才的なバットコントロール」と称され、後にプロ野球界を代表する選手へと成長する片鱗を見せていました。
立教大学時代の活躍から巨人軍入団
長嶋選手は立教大学時代からその非凡な打撃センスで注目を集めました。東京六大学野球では通算8本塁打、首位打者を2度獲得し、1957年の大学日本一に貢献しました。その活躍から、多くのプロ球団が獲得を狙いましたが、最終的に読売巨人軍へ入団することとなりました。ルーキーの1958年は、オープン戦で7本の本塁打を放つなど、活躍の期待が高まるなかで開幕戦を迎えた。4月5日、対国鉄スワローズ戦に、3番サードで先発出場してデビュー。国鉄のエース金田正一に4打席連続三振を喫し、そのすべてが渾身のフルスイングによる三振であったことが伝説的に語り継がれている。また9月19日に行なわれた対広島戦(後楽園)では、新人記録となる28号本塁打を放ったが、一塁ベースを踏み忘れて、本塁打を取り消された。(記録はピッチャーゴロ)。もしこのベースの踏み忘れがなければ、新人としても巨人の選手としても、唯一のトリプルスリー(打率3割・本塁打30本・30盗塁)の記録を達成していた
巨人軍での役割と9連覇への貢献
長嶋選手は巨人軍9連覇の中で、不動の4番打者としてチームを牽引しました。
- 勝負強い打撃 長嶋選手はチャンスに強く、ここぞという場面で必ず結果を出す勝負強さが持ち味でした。特に日本シリーズでは劇的なサヨナラ本塁打や逆転打を多く記録しました。
- 堅実かつ華麗な守備 守備の名手としても知られ、三塁手として超人的なプレーを披露。時には派手なダイビングキャッチや素早い送球でファンを魅了しました。
- チームの精神的支柱 長嶋選手の存在そのものがチームの士気を高め、監督の川上哲治とともに9連覇の基盤を築きました。
村山実との名勝負
長嶋選手のライバルとして特に有名なのが、阪神タイガースの村山実投手です。「ザトペック投法」と称される独特のフォームから繰り出される速球と変化球に、長嶋選手も苦しめられました。
しかし、長嶋選手は村山投手との対戦を楽しむかのように、時には豪快なホームランを放ち、時には三振を喫しながらも名勝負を演じました。特に1963年のオールスターゲームでの村山投手との対決は伝説となり、長嶋選手が豪快なホームランを放ったシーンは今でも語り継がれています。
伝説の天覧試合でのホームラン
1959年6月25日、昭和天皇・香淳皇后がプロ野球を初めて観戦する「天覧試合」が行われました。この試合で長嶋選手は、9回裏に宿敵・阪神タイガースのエース村山実投手から劇的なサヨナラ本塁打を放ちました。この一打は「天覧試合のホームラン」として、今も日本プロ野球の歴史に刻まれています。
ユーモアあふれるエピソード
- 「次はホームランね!」 長嶋選手は試合中、後輩やチームメイトに「俺が次、ホームラン打つから見てろよ!」と冗談を飛ばしていたと言われています。そして、本当にホームランを打ってしまうこともしばしばありました。
- ヘルメット事件 ある試合で、勢い余ってヘルメットを忘れて打席に立ち、審判に止められるという珍事がありました。このエピソードからも、長嶋選手の天真爛漫なキャラクターがうかがえます。
- サインを間違える 試合中、監督の指示を聞き間違えてしまい、想定外のプレーをしてしまったことも。しかし、そのプレーが結果的に成功し、チームメイトから「さすがミスター!」と称賛されたこともありました。
伝説的な記録と引退試合
- 1965年のサヨナラホームラン 9連覇のスタートとなった1965年のシーズン、長嶋選手のサヨナラ本塁打が印象的な試合を作り、巨人軍の黄金時代の幕開けを飾りました。
- 1974年の引退試合 9連覇後の1974年、長嶋選手は惜しまれながら引退。最後の打席では華麗なスイングを披露し、ファンの記憶に深く刻まれました。
まとめ
長嶋茂雄選手は、読売巨人軍9連覇の象徴として、その打撃・守備・精神的支柱としての役割を果たしました。阪神・村山実投手との対決やユーモアあふれるエピソード、そして伝説の天覧試合でのホームランは、野球ファンの心に永遠に刻まれています。
彼の存在なくして、巨人軍の黄金時代は語れません。長嶋選手が残した名シーンは、今後も語り継がれることでしょう。